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help リーダーに追加 RSS 製造業の派遣の話

<<   作成日時 : 2009/01/07 23:14   >>

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今日はボーナス決めで遅くなる予定でしたが、一日延びたため、明日になりました。よって、早く・・ってほどではないけれど、9時頃には帰って来ました。

で、今日は製造業の派遣の話。こんのさんからいろいろコメントを頂いてしまいそうですが・・・。

今朝、いつものようにテレ朝の「やじうまテレビ」を見ていました。いつも朝は大体「やじうまテレビ」とNHKのニュースをときどき切り替えながら見ています。

製造業の派遣は数年前に認可されてから今のように広がったんだけれど、また禁止した方がいいかということについて、経済界から反対の意見が出ているという話題でした。もし派遣を禁止したら、雇用調整がしにくくなるため正社員の雇用が減ったり、日本の企業がますます海外に出て行ってしまい、日本国内の雇用が減ってしまうという意見でした。

それに対し「やじうまテレビ」のコメンテーターである大谷さんが、やけに感情を込め、怒りを込めて語っていました。

「日本の企業はそんなんじゃなかったはずだ。日本の労働者を見捨てて海外に出て行ってしまうような企業が作るものを日本の消費者は買ったりしない。そんな企業のことを日本人はサポートしない」

そういう感情論でした。私はあきれてしまいました・・・。

日本のメーカーは既にかなり海外に出て行き、海外の安い労働力を使って安い商品を作り、それでも日本ならではの付加価値をつけて世界的な競争をしているんです。これが海外に出ていくのをやめ、日本では派遣が禁止されるためにコストの高い社員を雇わなければならず、景気が悪くなっても雇用調整が出来ないから更にコストがかさみ、結局高い値段のものしか作れなくなってしまったら、そんなもん、日本人だって買わないと思います。海外に出て行って安い労働力を駆使して維持している安価な価格であったとしても、結局、消費者は安いからそっちを買うと思うんですよね・・・。この企業は非国民だから買わないなんてきれいごとにつきあってくれる消費者がそう多くいるとは思えないのです。

そりゃものによりますよ、きっと。匠の技を駆使したマニアックな商品なんかは、コストをかけまくり、熟練した職人が作っていることで価値を維持し、消費意欲をかきたてることもあるでしょう。でも大半の消費財はそうはいかないと思うんだよなぁ・・・。

まあ、大半の消費財は中国などに任せ、日本はマニアックな商品に特化して生きていくんだ、という選択肢はあると思いますが、それだけで日本人が食べていけるかどうか・・・。

高度成長時代は、そもそも日本人の生活水準、一人当たりGDPもとても低かったので、みんなして助け合って働いていればどんどん成長できました。その成長を支えてくれていたのは先進国の需要。今、私たちが中国製品を安いと言って買っているように、安いからアメリカやヨーロッパの人たちが日本製品をじゃんじゃん買ってくれていたのです。為替の影響もありました。1ドル360円だったりすると、日本製品は欧米人にとってみたら馬鹿みたいに安かったことでしょう。

しかし私たちの生活水準が欧米においつき、日本人の労働コストが彼らと変わらなくなってきて、かつ日本の輸出品が欧米諸国の産業に悪影響を及ぼすほどになってきたら、為替も経済力を反映して円高になり、これまでのように日本製品はじゃんじゃん買ってもらえなくなります。そしてとうとう欧米の企業と全く同じ土壌で戦わざるを得なくなりました。大人になったわけです。

その最中にテクノロジーの発展のおかげで世界は狭くなり、飛行機であっという間に飛んで行けるようになったし、インターネットのおかげで情報は瞬時に世界を駆け巡るようになりました。

また共産主義の失敗が露呈し、ソビエト連邦が崩壊、東欧も崩壊し西側資本主義に組み込まれ、中国ですら大胆に資本主義を導入するようになります。インドも、子供の頃から英語で授業を受けさせるなどして戦略的に世界に追い付こうと努力し、参戦してきます。中国、インドといった国は、昔の日本さながらに、安い労働力と、豊かになりたいからとアグレッシブに働く国民のエネルギーを武器に、急激にのし上がってきています。

アメリカのライス国務長官が「グローバル化はそうしたいかどうか選択出来るものではなく、もはや避けることのできない事実なのだ」と言ったそうです。その通り、今の状況を嫌がって鎖国することはもはや出来ないでしょう。

で、日本はどうするのか?

去年、ボストンに新人の採用に行ったとき、大勢の中国人の留学生に会いました。みんなものすごく優秀な人たちでした。もちろん英語はぺらぺらで、日本語も流ちょうにしゃべり、かつMBAなどを取りにハーバード大学などに行っているのです。考え方もしっかりしていて、日本人の学生とはかなりレベルが違っていました。これは一体どういうことか?

日本は90年代の半ばあたりにバブルがはじけ、就職氷河期と言われた頃に就職した人が今30歳くらいになっています。彼らは就職するのが大変で、一度就いた仕事から出来るだけ離れたくないと思い、保守的で、社会人になってからずっとデフレで、株価は下がり続けているので、株は下がるものだ、物価も下がるものだ、社会なんてこんなものだ・・・と思っちゃってるくらい、小粒で地味なのです。

教育はどうかというと・・・国家戦略として優秀な人材を育成しているとは間違っても言えないでしょ。

理系では世界のトップクラスは修士号、博士号を当たり前のようにもっています。文系でもMBAなんてもはやざら。でも日本は大卒率は高いかもしれないけれど、大学生はろくに勉強もしていないし・・・・。

そういう人たちがこれからの日本を支えなきゃいけないんです。

そして少子高齢化。日本の人口は2005年に減少に転じ、今後44年間で3260万人減り、2050年には1億人を切って9500万人程度になると言われています。1年平均で74万人減るわけです。これは静岡市規模の人口です。そのくらいの都市が毎年減っていく・・・。そして高齢化の方は、1970年に65歳以上の人の人口が7%を越えたのち、どんどん高齢化が進み、2005年には20%を超えました。2050年には35.7%になると試算されています。働く人の質は下がり、量も減り、支えるべき人の数は増えている。

また、この失われた10年の結果として、すでに日本の一人当たりGDPは二流・三流国と同じ、世界23位にまで落ち込んでいます。ちなみに日本の一人当たりGDPは1975年〜1982年あたりまでは16位あたり、そこからぐんぐん上がり、1989年に3位に達し、2000年までキープ、その後、どんどん下がって、今や23位なのです。

これを合わせて計算するとどういうことになるか・・・ちょっとやってみましょう。

今の国民一人当たりGDPは約350万円です。今の人口は1億2800万人、うち高齢者が20%、高齢者は働いていないと仮定します。子供も働いていないと思うんだけれど、子供が何割かのデータが手元にないので、仮に子供も働いたと考えましょう。

現在では、一人当たりGDPを350万円稼ぐために国民の8割を占める労働者は一人当たり実際には438万円稼がなければなりません。

一方、2050年になり一人当たりGDPを350万円稼ぐために、9500万人に減った国民の65%を占める労働者はいくら稼がなきゃいけなくなるかというと、538万円です。あるいは、労働人口一人当たりが稼げる金額が今と同様に438万円だとすると、支えるべき高齢者が増えているがために、国民全員に分け与えると、すなわち一人当たりGDPは284万円にまで落ち込んでしまうのです。

一人当たりの生産性をあげないことには、購買力は圧倒的に下がってしまうのです。あるいは少子化を打破するか・・・。

そのままでいい、いやもっと悪化してもいいんだ、幸せは経済力とは関係ないんだから、と国民の大半がいうならいいんでしょうが、そのままじゃ嫌なのであれば、何とかしないと。

その対処法は企業に無理難題を押し付け、経営をしにくくすることではないと思うんですよ。それじゃ日本は自滅しちゃうと思うんです。

製造業の派遣自体はやめた方がいいことなのかもしれません。でも、じゃあどうするのか。そこを現実的に議論すべきであって、感情的にそんな企業は日本にはいらないんだ!なーんて、夢物語を語ってたってしょうがないじゃん・・・。

ちなみに製造業の派遣に関する私個人の考え方は

@あまりに無秩序にならないように、全従業員に占める派遣の割合かなにか、若干枠をはめる。
A派遣の法的条件を見直す。社会保険とか失業保険とか。
B派遣切りに限らず、失業した人に対するセーフティネットをもっと整備する。ハローワークを増やすとか、求人マッチングのシステムを拡大し、細かな求人ニーズも全国各地で参照できるようにするとか。臨時住居を用意しておくとか。あと生活保護。役場の人のノルマのために保護すべき人に生活保護を与えないなんていう問題は当然改善すべきです。(だからいっそこの前書いたベーシックインカムで、人間の裁量の影響を受けずに全員が一定のお金はもらえ、最低限は生きていけるようにするってのもいいかも・・・と思ってるんです。ま、これもまだ勉強不足なので断言はできませんが。)
C失業した人に対する職業訓練を手厚くする。結局のところ、単純労働は外国の安価な労働力にとって代わられてしまうものなので、スキルアップ出来るようにする。

といっても、この分野は不勉強なのでこれじゃ甘いのかもしれません。現状はもっと悲惨な搾取が行われているのかもしれません。

ですから、製造業の派遣はやめた方がいいという考え方の人がいらっしゃるのは当然だと思うんですよ。それは否定しません。でも、その場合は、じゃあ企業の競争力はどう担保するか、雇用調整をどう考えるか・・・企業に対する補助金?ワークシェア?・・・私はいまいちそっち側からのアイディアは浮かばないのですが、もっといいアイディアがあるかもしれませんからね。そういう具体的なことを議論したいんですよね。

いや、ほんと、わけのわからん、実現不能な感情論は耐えがたい・・・のは私だけ?じゃないと思うんだけれど・・・。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
あくあさん はじめに”感謝”の気持ちを表します。拝読しました
ライス国務長官の言葉、その通りでしょうねぇ
さて日本がどう対応すべきかですよね やはりある程度”がまん”(賃金カットも含め)する。そしてワークシェアリングをやるべきです
きわめて楽観的に言えば、日本人のスキルと知能と勤勉さをを結集すれば、世界との競争はできるはずです
そういう意味での構造改革をしなければなりませんですね
全国民の合意を得て、今やらなければ、日本は沈没してしまうでしょう。まさに正念場を迎えている(へへ、なんとも文学的ですなぁ)
こんの
2009/01/08 08:05
○○新書から、「マル経」の学者さん(大学時代に講義とってたけど)が金融危機の本を去年出しました。BSの右側にあるABCPの話なのに、左側にあると誤解しているとしか思えないようなことを書いていて読むに耐えなかった。と、いうか複式簿記を知らんのかなあ。
話題のテーマには有象無象が群がって小遣い稼ぎをするということなんですかねえ。

当地NYでは朝7時に夏時間はNHK7時のニュース再放送、冬時間はニュース9生放送があります。7時のニュースが好きです。「アナウンサーが事実だけ報道して、余計なコメントしないニュース」が好きです。という自分の嗜好を最近再発見しました。
TT
2009/01/09 11:43
こんのさん、どこかの労働組合の連合したものかなにか(名前を忘れました)代表者の方が、こんな悲惨な状況に対し、企業が責任を取る必要があるといいながら、じゃあワークシェアリングを受け入れるのかと聞かれ、それは難しい、春闘で賃上げは要求すると言っていました。きれいごとは言うけれど、自分の腹が痛むのは嫌なんですね・・・。

TTさん、いやほんと、いろんな本が出てますねぇ。まともなものは数えるほどしかないなと思います。私は討論番組も好きですが、出演者にあまりにも癇に障る人がいると気分を害するので消してしまいます。私の心が狭いのか・・・?
管理人
2009/01/09 22:18

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